新しい始まりと共に。
プルルル〜、プルルル。
「大変お待たせいたしました。……株式会社人事課手塚がお受けいたします」
「……お疲れ様です。はい。かしこまりました。少々お待ちくださいませ。」
「佐藤さん5番に支社の幸田さんから電話です。」
「はい」
「お待たせして申し訳ございません。佐藤と申します」
周りをぐるっと見回して少し遅くなったお昼に行くために同僚に声をかける。
ここのところ食欲が旺盛だったり、まったく受け付けなかったりと不規則な食事を取ってしまっている。
匠は先月発売したプロモーションも終わり比較的にゆっくりとしたスケジュールになっている。
就業にあわせて迎えに来てくれて、帰りは楽だし。
あと3日で、結婚記念日。
匠と結婚して色々あったけれども、順調に過ごしている。
匠の仕事の関係上、
どんなにしてもマスコミは私の務め先などは入手しているから
初めはどきどきしながら勤めていたけれど特に気にすることはない。
ただ、問題なのは――、
匠なんだよね。
昨年のクリスマススペシャルの話。
バンバン私生活を話しちゃって、
これで子供ができたら、もう一騒動起こしそうでこわい。
現に今もそう。
女のこの日も遅れているから、多分そうだと思うんだけど…。
今日の帰りに病院に行って確かめてこよう。
でも――、私は確信している。
ここに私達の子供がいることを―――。
そして、彼のその後の行動が…。
ぎゅーっと抱きしめて、
強い抱きしめすぎて大慌てして、
まだ、小さい命に耳を向けて、
私にキスの嵐をしてくれるのを…。
FIN.