桔梗
いよいよ、会社に出社だ。もう2年ぶりだ。
日本に戻ってきたのは……。
連絡を取っていた人は、いるけれど…。
やっぱり、緊張する。
「海外出向から帰ってきた今田誠司君だ。前は、どこだったっけ?」
「営業二課です。」
「そうか、じゃあ大体分かるね?柊君、彼と親しかったよね?頼むね。歓迎会は、今週末だから、みんな空けておくように…」
「わかりました。では、失礼します。第3応接室借ります。」
第3応接室
「久しぶりだな。活躍は聞いていたよ。」
「ご無沙汰でした。プライベートな事で助けて頂いてありがとうございました。今も、彼女は……?」
「あぁ、いるよ。そしてあの噂を利用して他の女に威嚇しているよ…。どうしょうか……。まぁ、会うことは滅多にないと思うから、平気だと思うんだけど、監視されるかもしれないよ……。それと、今日、沙理がご飯食べながら作戦立てようってさ…。詳しい事は、沙理が知ってるから。」
「いいんですか?」
「沙理たっての願いだから。沙理を待たせるのもなんだから、ちゃっちゃと終わらせて定時に終わらせるぞ」
「いつも思うんですけど、それらの情報はどこから集めてくるんですか?」
「情報元は、明かさないよ。」
ウィンクまでして、でも似合ってるから何も言えない……。
予定通りに終わらせて、待ち合わせ場所に柊さんと行った。
沙理ちゃんは、もう来ていた。柊さんが、合図をすると綻ぶような笑顔を帰していた。
そして、遠くを見つめると、「早く行こう」っと言って店に向かった。
いちゃついている二人の側にいるのは……。
なんだかなぁ〜。
予約していたらしく、個室が宛われた。
話が話なだけあって聞かれては困るから。
入って、それぞれ注文をして一息ついた。
沙理ちゃんが、A4サイズの分厚い封筒を前に出した。ただの茶封筒で封がとじてなかった。
不思議そうに見ると、彼らの身辺調査だという。
沙理ちゃんの友達で得意な子が、調べてくれたものだという。
そして、彼らが俺が帰国するという事を知って動き出している事。
今、麻里に対する少しの事でも喋ってしまうのは危険があるという。
彰は、麻里を捜すのに探偵を頼んでいるし…。
簡単には、見つからないと解っていても、安心できない。
しまいには、有賀さんがさっき俺らの後をつけていたということ…。
本当に、俺は守り抜けるのか…。
今すぐにでも、会いに行きたいよ。
――5日前
「ねぇ、そっちに行ったらダメ?もう疲れたの。
それに誠司、私のために無理している。
でも、やっと、決心がついたの。
もうこの偽りの関係をやめよう。私は、大丈夫だから。
それに、独りじゃないから。
……誠司は、きっとこの考えにYESを言ってくれないでしょ?

でも、私がそういう考えを持っていることを忘れないで…。
いつでも、行くから。
この関係はいつか断ち切らなくてはいけないもの。
でも、あなたが独りで背負うものではないから。
私の周りにも誠司の周りにもたくさん助けてくれる人がいる。
そのことを覚えておいてね。」
ただ過ぎる毎日。
それでも状況はかわらない。
いや、むしろ悪くなる一方だ。
住んでいるアパートも、ただ寝に帰るだけで、何をする訳でもない。
ただ怖くなった。
常に監視の目が付き纏っている…。
海外にいた時も独り暮らしをしていたけれど、ここまで恐怖を感じたことはなかった。
「別れてください。私はあなたを裏切っているの。」
「誠司を待つの、疲れちゃった…」
「いつまでここに居なければいけないの??
………ねぇ、いつになったらあなたに会えるの??
抱きしめて貰えるの?」
「もう、偽りの関係をやめましょう?
お互いにもよくないわ……。」
「私が、彼らの前から消えても変わらなかった。
誠司は、大丈夫なの?
ねぇ、監視されてるんじゃないの?
京ならやりかねないよ。警察に被害届けだしなよ。」
「でも、もう疲れたよ……。
会いたいよぉ〜。」
……っ、夢か。
日本に戻ってきてから繰り返し見るようになった夢。
俺の精神状態の不安定になってきている。
もう、偽りの関係はやめよう……。
麻里達をこっちに呼び戻そう……。
そして、実家に一緒に暮らして……。
今度こそ、守り抜く。
俺は、独りじゃないんだ。
桔梗 花言葉…変わらぬ愛
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